本研究は台湾の国立高雄第一科技大學應用日語系研究生が母語話者と1対1で、10分間会話した4組のデータを、中井・大場・土井(2004)で提案されたコミュニケーション能力の指導項目をもとに、聞き手のストラテジー(1)あいづち的発話(3項目)、(2)実質的な発話(5項目)に分類し、その使用回数および話題の続き方の会話構成パターンを検証した。また、日本語母語話者の結果とも比較した。 その結果、学習者の聞き手のストラテジーでは、あいづち的発話は実質的な発話より使用回数が多く、「さえぎり」はどの学習者にも使用されなかった。日本語母語話者との比較では、「さえぎり」を使用しなかったということでの一致以外、ストラテジーの使用回数で同傾向な学習者はいなかった。 学習者が、話題を続ける上で使用した会話構成パターンは9つに分類できた。日本語母語話者のパターンは8つであり、そのうち、6パターンは学習者と同じであった。 |