本研究は台湾進出日系企業で働く日本人管理職59 名の異文化コミュニケーション問題の調査結果から、次の結論が得られた。 まず、日本人管理職用質問21 項目のうち、「文化の違いを感じる」「困難を感じる」と回答した者の割合が5 割以上の項目はそれぞれ7 項目であった。一方、日本人管理職が台湾人従業員の行動に「困難を感じない」と回答した者の割合が5 割以上の項目は11 項目もあった。 次に、全体的に日本人管理職の間で、「自分たちが学ぶべき」と回答した者の割合は高くなかった。数多くの項目(21 項目中15 項目)は1 割以下にとどまっている。上位3 項目もわずか10%~30%であった。 最後に、「人間関係行動」「業務遂行行動」「経営管理行動」には、性別の違いによる文化の違いと困難度の差はなかった。一方、「人間関係行動」「業務遂行行動」には、年代別・勤務年数などの違いによって、文化の違いの差異は存在していなかったのに対して、困難度による差異が存在していた。 |