日本では、2000 年代の初めごろまでに、鉄道駅を複合化し、商業施設と一体化する方法で、駅を中心とした都市の再構築を進めてきた。従来、私鉄各社のように副業を兼営する国鉄(日本国有鉄道)は1987 年に民営化され、土地・不動産部門の経営が可能になったものの、バブル景気の崩壊により、膨大な借金返済のための土地売却が困難になってしまった。 そこで、JR 各社が都市部の土地を子会社によって、商業施設に利用する戦略へ方向を転換したのである。本稿は鉄道路線を保有し運営しているほか、海外事業を含め多様な関連事業を展開しているJR 東日本を対象に、駅ビル運営会社による商業施設の事業の展開を論じたい。また、2019 年1 月10 日はJR 東日本会社の関連企業であるアトレが初めて海外へ台北101 地域に「微風南山atré(アトレ)」を出店したのを例に、直営フロア経営ではなく、テナント導入経営が台湾の商業施設として一般的であったことがあげられることを合わせて考察したい。 |