今日、日本に留学している留学生数は31 万2214 人( 2019 年5月1 日時点) に上り、2008 年に政府が掲げていた2020 年を目途にした「留学生30 万人計画」は予定通り達成された。この計画は、日本を世界により開かれた国とし、アジア、世界の間のヒト・モノ・カネ、情報の流れを拡大する「グローバル戦略」を展開する一環として計画されたものである。留学生数の増加と共に、卒業・修了後に日本企業等へ就職を希望する割合も日本全体では6 割を超えているものの、実際の就職率は36% にとどまっている。つまり、半数以上の留学生が希望通りに就職できない状況にあり、国の目標との乖離が生じていることがわかる。本学においては、これまで留学生の就職に関する調査が未実施だったこともあり、状況の把握すらできていなかった。そこで、本稿においては、企業側のアンケート結果と筆者が実施した本学の留学生に対するアンケート調査をもとに、マッチングの可能性を模索した。結果、北見圏内には7 社の企業が採用に積極的であり、留学生に関しても5 名が可能性を示唆していたことが明らかになった。また、両者の希望する情報や条件についても把握できたことにより、今後留学生の地元企業への就職の実現に向けた取り組みを行う基礎的研究が達成された。 |