聴解訓練課程を担当している教師にとっての重要な課題は、学習者の聴解能力を伸ばしながら、コミュニケーション能力も育てるために、授業を如何にデザインするかである。適切な言語学習ストラテジーを身につけていない学習者を助けるため、本研究では自律学習を促す聴解訓練のカリキュラム開発、授業での実践を試み、考察した。 本研究では、1.生教材を使用し、協働学習を取り入れる授業の実践と考察を行い、授業モデルを提案すること、2. 「聴解学習ストラテジー質問紙」を用い、聴解訓練の実践前後における学習ストラテジーの使用状況と変化の分析を行うこと、3. 課外時間の練習記録シートの利用による聴解学習ストラテジーの使用状況の変化を、実践組と対照組で比較分析を行うことなど、3 点を目的とした。 生教材を用い、協働学習を導入して聴解訓練を実践した結果、ストラテジーの使用に影響が与えられることがわかった。課外時間の記録シートの使用により、「継続」および「メタ認知」分類のストラテジーの使用頻度に変化が見られた。アンケート調査の結果からは今回聴解訓練の授業デザインに対し、学習者からも正の評価を得ていることがわかった。 |