過去時態故事中的ル形,其出現方式及效果——針對隨筆〈被踩扁的紙鶴〉的童年回憶部分∣The reason why present tense る-form appears in past sentence of past tense–For the retrospective episode of essay ''Crushed Crane''
過去の出来事を描く文章を物語文といい、物語や小説などはタ形を使って書かれるのが原則である。しかし、過去に起きた出来事を描く文章でありながら、実際にはタ形とル形が混用されており、日本語学習者にとって理解しにくい日本語表現の一つになっている。 この論点はこれまで小説を題材にして論じられることが多かったが、この論稿ではジャンル別という観点から随筆を対象として取り上げた。随筆の回想部分を対象に、地の文にル形が使われる理由を、文レベル及び文章レベルで考察し、日本語学習者の疑問に答えられることを目指した。考察の結果、次の点がわかった。 A ) 繰 り返しやいつもそうだという場合はル形になりやすい。 B ) 「 テイル」「ナイ」「デアル」などの文末はル形になりやすい。 C ) 回 想式の随筆はいわば特殊な物語文であり、過去の出来事がタ形によって締めくくられない場合もある。 D ) 随 筆の過去のエピソードの冒頭の文には、過去の時点を表す表現があり、ル形は使われにくい。