本稿は、Can-do の概念を取り入れた「第二外語会話―日文(二)」を授業対象とし、学習記録というポートフォリオ活動を授業に導入することによって、学習者の自律的学習能力を育成することができるかどうかを検討する。 学習記録は11 の授業テーマに沿って作成されたものであり、一学期を通して19 名の授業履修者によるものは合計209 部のうち176 部が回収できた。また、ポートフォリオ活動としての学習記録は学習者の日本語学習上でどのような位置づけなのかについて授業履修者のうちの6 名にインタビュー調査を行った。 その結果、学習者による学習記録の作成と自身の自律的学習能力との関わりについて、「自身の学習過程のふり返りタイプ」、「学習した内容の確認タイプ」、「漠然とした記入から自分のふり返りへと転換タイプ」、「断片的な記録タイプ」の4 傾向の学習記録が見られた。また、インタビューの結果、学習記録というポートフォリオ活動の導入は自分の学習に役に立ったという肯定的な意見が出た一方、学習記録を活用できなかった意見も現れた。 |