本稿は初級の文法事項を習得した直後の初中級学習者を対象として、作文教育に協働学習とも呼ばれるピア・レスポンスを取り入れ、学習者の誤用を訂正する実践報告である。 その狙いとしては読み手の視点を取り入れるピア・レスポンスを用いて既習した基礎文法を正しく書くことに活かしてもらうためである。そこで、学習者同士の話し合う学習活動を取り入れたのみならず、チェックシートを用いて「表記」「語彙」「文法」「表現」における誤用を訂正し合ってもらうことにもした。244 枚のチェックシートから採集した726 の誤用訂正例をもとに検証したところ、学習者は中日両言語の字形、読み方、助詞の使い方、動詞・形容形の活用変化、文体の誤用などといった言語を構成する基本的法則を用いて、いかに正しく作文を書いていくのかに気付き始めた。また、学習者の振り返りシートから、互いに誤用をチェックするため、学習者は語彙や文法の正しい使い方を強く意識するようになったことも明らかになった。したがって、本実践では読み手の存在を意識させるピア・レスポンスが既習した基礎文法の誤用を訂正するのには一定の効果を発揮したといえる。 |