近年、台湾における日本語学習者数は以前のような増加傾向を見せなくなった。そのような変化をもたらした原因の1つに韓流ブームの影響があるという説がある。外国語の学習は目標言語に対する態度(attitude)と深くかかわっているため、本稿は台湾人の日本と韓国に対する態度を検討し、台湾人の日本語もしくは韓国語を学習する意欲を探ってみた。研究は新聞記事の内容調査と、アンケート調査の両面から進めた。新聞については「哈日」と「韓流」ブームが起こる1995年以降の『聯合報』から「喜歡日本」、「不喜歡/討厭日本」、「喜歡韓國」、「不喜歡/討厭韓國」が含まれる記事を分析対象とした。アンケート調査は台湾人の日韓両国に対する印象(自由に列挙する)の調査である。まず、台湾人が韓国に対する好感度は日本に対する好感度ほど高くないことを明らかにした。また、台湾人が日本のいろいろな面に魅力を深く感じていることも分かった。よって、台湾人が韓国語を学習する場合の学習環境より日本語を学習する場合の学習環境の方が整備されていることが示唆できる。 |