現代日本語と現代中国語には、「液体—体液」・「会議—議会」のように、「AB-BA」と字順の逆転する二字漢語の組み合わせが相互にある。 本稿は、中国語と日本語の両方に共通して「AB-BA」の逆転現象のあるものを辞書から抽出し、それぞれの言語における「AB」と「BA」との間の意味上の相違について考察した。その結果、両言語内部におけるそれぞれの字順逆転語では、字順の逆転によって、意味の違いが生じる語が多いことを明らかにした。また、字順が逆転しても意味の変化が生じない漢語と一部において意味の変化が生じた漢語については、日本語の場合、一方の漢語の使用が多く、もう一方はあまり使用されていないという傾向が見られたが、中国語の場合、両方ともよく使用されている傾向が見られた。 |