本研究は台湾・中国大陸・香港の日本語学科の学生が考えるよい日本語の授業とよい日本語の学習者について検討したものである。具体的には台湾(8校)、中国大陸(6校)、香港(1校)の日本語を専攻している学生(605 名)を対象にアンケート調査を実施し、SPSS を利用して因子分析、t検定、分散分析、相関分析によって、そのような異同について検討した。 その結果、「よい授業」「よい学習者」のいずれについても、台湾、中国大陸、香港の学生がイメージするものに共通する部分が見当たらないことが分かった。また、台湾、中国大陸、香港それぞれの学生が考える「よい授業」-「よい学習者」の相関関係を分析したところ、程度の差こそあれ、いずれも互いに正の相関があるという結果をも得た。 |