本稿の目的としては量詞・助数詞の分類基準を求め、それゆえに分類すること自体の合理性を見出すことである。 黄(2008)はかつて量詞と助数詞を一定の量を示すか否かによって二大別した。ところが、こうした分類の仕方は必ずしも合理的なものではない。例えば、“2公斤”「2キロ」においては一定の数量的認知ができるが、“公斤”「キロ」より計数対象のカテゴリー性が掴めない。それに対し、“2頭”「2頭」は数量的認知ができると同時に、“頭”「頭」より生き物であるといったカテゴリー性に察しがつく。このようにして、量詞と助数詞は二つの機能を有していると思われる。一つは数量的認知(QCと略称する)、もう一つは対象物のカテゴリー性を認知すること(物体的認知と称し、OCと略称する)である。本稿はこの二つの機能によって、量詞と助数詞をQCとQC+OCに二分類する。QC類は一定の量を示す貨幣・度量衡単位である。QC+OC類は一定の量を示さない数量単位である。QC+OC類はカテゴリー性への認知を機能し、物事を分類することにもなりうるため、類別詞とも呼ばれている。一般的に言えば、類別詞には個体数量単位のみ含まれ、集合数量単位が含まれていない。しかし、本稿では集めた用例に基づき、集合数量単位も個体数量単位と同様に使用上の制約を受けていることを例証した。例えば、“1箱水果”「1箱の果物」はいえるものの、“*1箱牛”「*1箱の牛」とは言えないというような類である。こうした使用範囲を特定することによって、本稿では集合数量単位も類別詞の一種として扱うことにする。 |