中日両言語では「数詞+数量単位」という組み合わせで数量を示す。中国語ではその数量を表示するための単位を量詞、日本語では助数詞と称し、両者ともかなり発達している。その理由は、同音異義語の意味弁別と数詞を自立語たらしめるためである。中国語の基本語彙は“錶"“表"のような単音節が殆どである。それを“3支錶"“3 張表"のように、量詞によって、その意味を弁える。助数詞は量詞のような役割がないものの、数詞を一品詞に持ち上げる役目を持っている。そして、意味的に量詞と助数詞を個体量詞・助数詞、集合量詞・助数詞、計量量詞・助数詞の三つに分類することができ、数詞と結合すると、個体数量詞、集合数量詞、計量数量詞の三つとなる。この三つの数量詞は文中で一成分として働く。中国語では個体数量詞を除いて、いずれの数量詞が通常連体修飾の標識である“的”と共起できる。ところが、個体数量詞はまとまった量の意味合いを有する場合になると、“的”の後続も可能となる。それに対し、日本語の数量詞は中国語のような構造的な差異が出ていないが、動作の行われる前の既存量と行われた後の変動量のほか、対象物のまとまった量を示すかどうかもその文法機能を決める要因となっている。 |