今日、日本の観光を取り巻く環境は、訪日外国人旅行者数と日本人の海外旅行者数とのアンバランスが起きており、世界的、アジアにおいても日本は観光面での取組みが必ずしも功をなしているとはいえない。そのため、日本政府は2003年より「親光立国Jに向けた具体的な政策の取りまとめや銀光振興にカを入れている。数値的目標は、2010年まで訪日外国人旅行者数を1000万人に増やそうとしている。2007年時点では、835万人の訪日外国人旅行者数に達し、目標達成圏内に入っている。また、昨年(2008年) 10月1日には、国土交通省の外局として「銀光庁」が設立し、21 世紀の親光振興に取組む体制が大きく変化した。このように、国として積極的に取組みを行っている。 また、国の取組みと平行して、各都道府県においてもそれぞれの特色を活かした槻光振興が行われている。各地域では、地域の特色を把握し、観光資源を再度見つめなおす取組みが多く見られる。やはり、銀光というものは、地域の特色をそこに住んでいる人々が理解し、プライドを持つことにより、その魅力を来客者に伝え、彼らの理解につながっていくのである。それがしいては、国の印象へと影響していくのである。これまでも、多くの県では国内向けの取組みは行ってきた。しかし、国外向けの取組みはプロモーションが中心であり、マーケティングに基づく観光戦略はとられてこなかったところが多く存在する。つまり、重要市場となる国や地域のニーズを捉えなかったために、外国人旅行者数が増加しない傾向にあった。特に、地方においては、親光による経済効果や雇用の創出、地域の活性化につながることが期待されている。 そこで、本稿では東北地方の山形県を取上げ、地方の一つとしてどのようにインバウンドを拡大させることができるのかについて考察したいと考えている。まず、山形県の政策面を検証し、重点の所在地と実施内容を検証することにする。次に、台湾人旅行者数の推移をみながら山形県における現状を把握することにする。その後、台湾で行った山形県の認知度調査をもとに現状を把握し、最後に、課題に対する対策を講じることにする。 |