昨今、日常生活において、いわゆるパソコンを多くの人が利用しており、主な用途として文書作成や表計算などのほか、インターネット(以下:ネット)の利用が挙げられよう。ネット上には、データ化された膨大な情報が存在し、一般にWeb site(ウェブサイト)やホームページなどと呼ばれる(以下:サイト)。また、サイトの利用方法として、サイト内の情報を入手するほか、各サイトにある、ほかのサイトの参照情報をたどることで、いろいろなサイトをめぐり、より多くの情報を得られる。このほか、検索エンジンにキーワードを入力して情報を探し出すこともできる。本稿では、ネット上に存在するリアルかつ雑多で膨大な情報の検索、いわゆるネット検索で得られる情報の日本語教育への応用の可能性や、欲しい情報を能率よく入手するためのヒントやノウハウを、いくつかの事例を示しながら探りたいと思う。 研究方法としては、まず、先行研究からネット検索の利点と問題点や、日本語研究への利用例などについて、積み重ねられた知見をまとめる。その上で、代表的な検索エンジンの一つであるGoogleを例とし、筆者の内省や体験から、ネット検索が日本語教育上何らかの形で役立った、または将来役立つ可能性があると感じた事例を紹介する。例えば、検索キーワード入力の際「”石の上にも三年”」と、文字列両端に「”」を付ければ「フレーズ検索」となり、フレーズを個々に分割せず検索できる。また、語句の一文字が不明な場合、「”*の上にも三年”」と不明な部分を「*」に置き換えることで、調べたい言葉が確認できる。このほか、キーワードの後ろに「ことわざ filetype:pdf」のようにファイル形式を入力すれば、「ことわざ」に関するそのファイル形式のページを検索できる。本稿では、このような具体的に手法や事例を挙げながら、その利用方法について話を進めていく。 パソコンの日本語教育での活用を考える上で、ネット検索を巧みに行い、情報を効率的に入手するということも重要な要素と思われるが、ネット検索の日本語教育への応用について、本稿が参考となれば幸いである。 |