1972年の中華民国と日本の断交後も、経済・銀光・文化などの領域における台日の実務関係はますます強化されており、その結果、両国間の「人の移動」も極めて頻繁に行われている。2008年の日本人の台湾への入国者数は、台湾への外国人総入国者数の中で最も多く、30%以上を占めている。日本人入国者の目的別内訳を見てみると、約70%が親光目的、約30%が業務目的であり、それぞれ、親光目的の外国人総入国者数の40%前後、業務目的の外国人総入国者数の30%以上にあたる。 本研究は、こうした日本人入国者の中でも業務目的、特に、ビジネスマンの移動に焦点をあて、出入国管理と居留に関する現状と問題点に関して、台湾駐在の日本人ビジネスマンを対象にアンケート調査を行った結果をまとめ、分析したものである。 日台の緊密な経済関係の維持発展に向けて、日本人ビジネスマンの移動の自由化と円滑化を図るために、台湾政府は出入国管理と居留制度においてさまざまな方策を講じてきた。しかし、こうした方策は十分に活用されているのか。或いは、さらなる自由化、円滑化のために再検討されるべき点がまだあるのか。本研究は、2008年度行政院国家科学委員会の助成を受けた専題研究として、こうした問題の回答を見出す試みである。 |