仲裁は、申立人が仲裁通知(Notice of Arbitration)を相手方及び仲裁機関に送付することによって開始される。仲裁通知には、事案の事実、紛争の内容及び関わる争点が記載されるほか、通常は選任する仲裁人も記載される。ただ、仲裁当事者は仲裁人をどのように選任するか、その際に考慮すべき要素や制限は何かという点は、国際仲裁事件において重要な検討事項となる。国際仲裁案件の核心は、当事者が紛争の解決を仲裁廷に委ねるという「信頼」にある。そして、仲裁廷の専門性及び公正性は、その「信頼」に重大な影響を及ぼす。特に、選任される仲裁人は、独立性及び中立性を備えなければならない。仲裁人が独立性や中立性を欠く場合、その仲裁廷が下した仲裁判断は後に取り消されたり、執行を拒否されたりする可能性がある。 |