台 湾の日本語関連学科において、通訳授業が通年各学期2 単位という形式で設けられている中、通訳授業を他の学習機会と連携させていくことは、非常に重要なことである。そのため、本研究では、地域を問わず各日本語関連学科が連携可能な学習機会の例として、地元の教育機関主催の日台姉妹校間の国際交流活動を挙げ、実際に地元の高校による日台交流活動の歓迎式典とグループ交流活動への通訳支援を学部4 年生前期の通訳授業と連携させて、その事前準備を組み入れた通訳授業を1 学期間にわたって行なった。 そ の結果、履修者の内省から、このような連携が「授業内容の実用性または実践性の知悉」「授業での学習における動機付けの付加」「通訳における事前準備の重要性への認識の向上」「かしこまった日本語の重要性の再確認」「学習成果・自分の能力に対する気づき」「修得内容が将来または社会における自己実現につながるという認識の付与」等の効果をもたらすこと、前者5 つは支援当日参加していない履修者にも同様の効果が見られることが明らかとなった。また、それらの効果向上のためには、資料の入手、情報共有、活動の質の向上において、依頼者側の協力が不可欠なことがわかった。 |