日本文化については、これまで主に欧米を中心とした文化との比較において異質性がいわれてきた。ところで同じアジア圏に属する日本と台湾とは地理的に目と鼻の先に位置し、四方を海に囲まれているという共通点を持っている。また人種的にも近いといわれており、髪や皮膚や目の色もほぼ同じである。しかし、仕事などをする時に、日本人は集団でする傾向が強く、一方台湾人は、日本人と比べ、個人でする傾向が強いといわれている。なぜこのような違いがあるのであろうか。本稿はこの疑問を解明すべく考察を行った。 その結果、日本は江戸時代、鎖国政策により200 年以上外圧を受けずにきたが、台湾は同時期に外国に何度も占領され、戦ってきたという歴史的背景に違いがあることがわかった。こうしたリスク経験の違いから、日本人は台湾人と比べリスクに対する免疫力、抵抗力が弱く、集団行動をとることにより、リスクを回避、軽減する性向が台湾人より強いのではないかと示唆された。 |