本稿では、初音ミクをめぐる創作・二次創作活動から、日本のサブカルチャーにおけるアマチュア創作活動に見られる特徴を三点指摘した。 一つ目は、日本におけるアマチュア創作者の多さである。日本では古くからアマチュア創作活動が盛んであったが、インターネットの普及にともない、これまでになかった形のアマチュア創作活動の場が次々と作られている。 二つ目は、インターネット上におけるアマチュア創作者同士の協同作業である。名前も顔も知らない者同士が互いの作品に手を加えるという状況が出来上がっている。 三つ目は、インターネットの普及によるアマチュア創作者のメジャーデビューに至る過程の変化である。これまでは、コンテンツ産業の手を経ることによってしか作品を流通させることができなかったが、現在ではインターネットを利用して、アマチュア創作者が直接全世界に自分の作品を発表できる環境が整えられている。一方で、インターネット上でアマチュア創作者のコンテンツを無償で楽しんできた消費者が、創作者の金銭授受に対してバッシングを行う、という問題も発生している。 |