第二次世界大戦後の日本は、1945年から1964年までに驚異的なスピードで経済復興1を果たして、世界第二位の経済大國になっている。世界各國の學者は日本経済成長の背後の主因を研究し始めた。1958年にアメリカの経営コンサルタントジェイムズ・アベグレンの著書『TheJapanese Factory(日本の経営)』において、日本の経営の特徴として終身雇用と年功賃金などを挙げてから広く知られるようになった。その後、終身雇用は日本的経営の「三種の神器(終身雇用制・年功制・企業別組合)」としてよくとりあげられている。だが、1986年労働者派遣法の施行と伴い、非正規社員の雇用率が高くなっている日本は、その雇用形態の背景と現狀はどうなっているのか。日本の経済発展を注目される一方、かつて日本経済を支えてきた「一億総中流」の雇用基盤を考察する必要があると考えられる。本稿は日本の雇用形態の考察を通してその実態を把握したいと思う。 |