高等教育のユニバーサル化の発展とともに、大学に求められる教育そのものの機能は、従来より厳格になっている。また、若年者の卒業無業化の状況が深刻になるなか、若年者に早期キャリア形成を如何に意識させるのかも重要な課題となっている。しかしながら、キャリア教育・キャリア支援の推進にあたって、教職員からの理解、キャリア教育の位置づけ、就職技法の偏重、イベント式のキャリア支援などの課題が山積している。現代の大学において、キャリア教育・キャリア支援の質をどのように高めるかが大きな課題であると言えよう。そこで、本研究では、キャリア支援の質的転換の視点でキャリア支援を意欲的に可視化、体系化して捉え、キャリア支援の質的向上の可能性について検討する。 本研究では、日本における国立・公立大学、及び私立大学のキャリアセンターを対象に、各大学のインターネットに掲載されているキャリア支援に関する資料をコーディングし、分析した。分析アプローチは、ポジショニングマップという質的分析方法を用いた。また、キャリア支援のコーディングしたノードを文字や文字列などのコーディングの類似度を算出したJaccard 係数を用い、クラスター分析を実行した。 |