長い間、日本近現代文学文化研究においては、「アニメ」は研究対象として取り組む文化形態ではないという考え方が強く支配してきた。そして、その考え方は今も根強く残っている。たとえば、映画研究者・加藤幹郎の編著『アニメーションの映画学』(2009年、臨川書店)は、アニメーションを幼児向けの媒体として扱うのではなく、研究対象として扱うことを強調している。スタジオジブリのアニメーション映画監督である高畑勲は、演出あるいは監督した作品『アルプスの少女ハイジ』(テレビ放映1974年)『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994年)について言及する際「アニメはお子様ランチ」ではないと述べている。このような発言はアニメ=子供向け娯楽としての消費。 |