学習者の「ても」の習得状況を明らかにすることを目的として「ても」関連項目を整理し、「LARP at SCUコーパス」の学習者が使用していた教科書について分析を行った。そして、調査によって明らかになった実際の使用状況を踏まえ、教科書と使用状況の関連について考察した。いずれの教科書でも扱われているのは逆条件の用法であり、学習者の使用も逆条件が多く、そこで表される内容にも教科書の影響があるのではないかと考えられる。教育現場への提言として、(1)逆条件のうち性質・習慣以外の状況を扱う(2)との用法においても動詞以外の品詞を扱い、様々なパターンの文に触れさせる(3)並列の用法を明示的に文型として扱うべきだという三点を挙げた。 |