過去25年、私は大學で、アメリカ文學と文芸翻訳を教えるとともに、現代アメリカ小説の翻訳・紹介に努めてきました。また最近ではアメリカで、現代日本文學の英訳を中心とする、英語の文芸誌も刊行してきました。今日は、そうした経験に基づいて、日本語と英語の文學的言語が行き來するなかでどのような成果や変化が生じているか、具體的にお話しできればと思います。自分の體験に基づくお話なので、お聴きくださる皆さんの中には、こいつは日本からわざわざ自慢話をしに來たのか、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまで自分がもっともよく知る具體例について話している、というふうに受け止めていただければ幸いです。 |