文學(芸)とは「おもしろいもの」、おもしろくなければならない。よく言われる言葉である。『日本國語大辭典』の「おもしろい」の項に、(1)見て楽しい。愉快だ。気持ちがいい。(2)興味がある。興味深い。(3) 趣がある。風流である。風情がある。(4) 望ましい狀態である。思うとおりである。多く打消しを伴って用いられる。(5) こっけいである。おかしい。一風変わっている。とある。このすべてに応ずる文學作品を考えることはむずかしい。だが、このうちの一つ、二つをもって、作品の特色考えを、それによって分類を試みることも可能だ。また、このうちの一つの世界をひたすら志向した作品というものもある。 |