本研究の目的は、韓國と日本における獨自の社會調査データを分析し、平等志向と階層閉鎖性認知の規定因を解明することである。平等志向に関して、地域や性別とのクロス集計を見ると、日本では農村部ほど平等志向が強く、また女性の方がより強かった。韓國はより平等志向が強い。階層閉鎖性認知に関しては、韓國の方が、親の社會的地位が出世に必要という回答が多かった。重回帰分析を行ったところ、両國で規定要因は異なり、平等志向については、韓國男性は年齢と學歴の規定力が有意だが、日本男性は學歴のみだった。日本女性は複數の地域で學歴が有意だが、韓國では地域で一貫した傾向はない。階層閉鎖性認知については、日本男性は學歴の効果が大きかった。韓國女性では複數の地域において、関係的資源(有力者との人間関係)保有が規定力を持っており、異なる規定メカニズムが存在する。 |