2003年のPISA調査(OECD生徒の學習到達度調査)で、義務教育終了段階における日本の生徒の「読解力」は低下したことが分かった。それを契機に日本では現在「読解力向上プログラム」や教科の枠を超えた學校の教育活動全體を通じた取り組みが全國的に行われている。そこで、本稿では、戦後日本が求めてきた國語力とは何かを明らかにするために、學習指導要領(國語科編)の記述から國語學習指導の一般目標の歴史的変遷をまとめた。また、內外の學力調査の結果を分析し、日本における國語力の現狀と課題を把握した。さらに、國語力のとらえ方と國語力の向上策を考察し、確かな國語力の定著を図ることについて検討した。 |